クリーニング師のお仕事
クリーニング師とは?
都道府県が認定を行っている、クリーニング師試験に合格することで得られる資格で、衛生法規や公衆衛生、洗濯物に関する知識や技能が問われます。
このクリーニング師は、クリーニング業法の決まりでクリーニング店に1人は置かなくてはいけない事になっています。
クリーニング師の仕事内容は、しみ抜きなどを含むクリーニングに必要な知識を有し、扱いが難しい洗濯物のしみ抜きや汚れ落としを担当したり、必要に応じて知識を提供することが主な仕事です。
特に代表的なものといえば、洋服や着物を、そのまま丸洗いやしみ抜きを行う作業です。
これは生地の種類や状態を見抜く知識と技術が不可欠ですし、丸洗いしても問題がないか、その判断力が重要となります。
知識がないと丸洗いできる生地か判断できませんし、誤った判断で洋服や着物を傷めてしまう恐れがあります。クリーニング師は、このような判断ミスやトラブルを避ける意味でも重要な資格ですから、クリーニング店に1人は置くことが定められているわけです。
しみ抜き作業も同様に、判断を誤るとしみが落ちないどころか、余計にしみを広げてしまうことになり得ます。
クリーニング師に求められるのは、安全に丸洗いやしみ抜きをする判断力と技術力で、判断が難しい洋服、着物が扱えるスキルです。
実技試験にはワイシャツのアイロン繊維の判別、しみ抜き方法といった確認がありますから、ワイシャツに関する知識も当然ながら求められます。
衣類には洗濯のミスを防ぐ為に表示があるものですが、表示が参考にならなかったり、表示そのものがないケースも少なからずあります。
そうした衣類を扱う時にクリーニング師がいると心強いですし、クリーニング店はミスをして信頼を損ねたり顧客を失うといった事態が避けられます。
クリーニング師になるためには?
受験資格は中学校か準ずる学校を卒業している人に与えられるので、義務教育を受けていれば基本的に誰でも受験可能です。
中等教育学校の前期課程を修了か、同等以上の学力があると認められれば受験できます。
試験は学科と実技に分けられますが、学科試験は過去問題に取り組めば大丈夫です。
テキストも販売されていますから、独学で受験勉強に取り組むのも不可能ではないです。
一方の実技試験はアイロンがけが中心ですが、地域によって詳細は異なりますから、事前に地域のクリーニング業組合に問い合わせをおすすめします。
クリーニング店で働いた経験がある人なら、クリーニング師に何が求められているのか分かりますし、実務経験から実技試験に必要な知識やスキルが得られている可能性があります。
より試験本番に向けて対策を行いたいのであれば、地域で実施される試験対策講習会に参加するして学ぶことも試験の傾向や雰囲気の理解が深まりますから、初めて試験に臨む人にとって特に適しています。
クリーニング師の試験自体は全国で実施されているので、どの地域でも受験することが可能となります。合格率は地域によって差はあるものの、全国的に見て60%前後といったところです。
比較的低い地域だと50%台に留まりますが、逆に高い地域では70%台に到達します。
クリーニング師は業務に従事して、1年以内に研修を受けることが必要です。
その後も、都道府県知事が指定するクリーニング師の資質向上を目的とした研修を受けることになります。
クリーニング師の年収は?
クリーニング師の年収に関しては、令和元年度の洗たく工の年収は厚生労働省の賃金構造基本統計調査によると、きまって支給する現金給与額(企業規模計10人以上)が「20万6600円」で、年間賞与・その他特別給与額が「21万0900円」ですので、平均年収は約270万円となります。
クリーニング師の将来性は?
平均年齢は40代後半なので、割と年齢に関係なく働ける仕事だと分かりますが、収入は安定傾向で高収入は望めないといえるでしょう。ただしこれらはチェーン店のように、クリーニング店に就職して働く場合の数字です。
独立開業という道もありますし、独立することで平均を上回る収入を目指すことも夢ではなくなります。立地選びや店舗のデザイン、商品開発やコスト削減などできる工夫は沢山ありますし、挑戦してみる価値ややりがいはあると思われます。
クリーニング師は、地域のクリーニング店で街の人達の期待に応えたり、工場で専門的な知識やスキルを活かした仕事ができますので、誰かの役に立って喜ばれる仕事がしたい、といった人に向いています。
丁寧な仕事は職人技ですし、専門技術で期待に応えられるので、喜んでもらえる可能性が高く、喜びの声が仕事の励みになると考えられます。
技術を磨きながら長く働ける仕事ですし、精神的な充足感も得られることを思えば魅力的です。
コツコツと真面目に働き続ければ実績が信頼になりますし、お金を貯めて自分のお店を持つ希望を形にすることもできるでしょう。