社会保険労務士 – しゃかいほけんろうむし

社会保険労務士のお仕事

社会保険労務士とは?

 働き方改革が推進されるにつれて、以前より重視されるようになった職業があります。社会保険労務士もその一つであり、労働スタイルの多様化を支える大切な役割を担っているのです。
社会保険労務士の仕事内容は、社員の勤務や社会保険などに関する法律を扱い、適切な人事と労務管理が実践されるように導くことです。企業が成長するには人材は不可欠であり、事業活動の健全な進歩を望むなら、福祉に関しても質を向上させなければなりません。それを目的として、入社から退職という会社人生の一生にわたって、さまざまな労働上の諸問題を解決していきます。年金の相談に乗ることなども職域に含まれているなど、専門知識を用いて社員のフォローを行っています。つまり、会社で人を守ることが指名であり、現像と未来の両方を尊重していくような仕事です。

社会保険労務士になるためには?

 社会保険労務士になるためには、そのための試験に合格しなければなりません。そのうえで、連合会が扱っている社会保険労務士名簿に登録することも重要なステップです。ただし、この登録を行うための要件も決まっています。基本的には2年以上の実務経験が求められ、それ以外に関しては事務所の指定する講習を修了していることが条件です。これらのプロセスを無事に終えた場合のみ、社会保険労務士を名乗って活動することが許可されます。どれだけ知識や現場の経験が豊富でも、それだけでは認められないので注意しましょう。

社会保険労務士の年収は?

 社会保険労務士の年収に関しては、令和元年度の社会保険労務士の年収は厚生労働省の賃金構造基本統計調査によると、きまって支給する現金給与額(企業規模計10人以上)が「33万4900円」で、年間賞与・その他特別給与額が「84万1400円」ですので、平均年収は約486万円となります。年収と月収が共に高めですし、人気の職業として一定の高い支持を獲得し続けている理由の一つと言えるしょう。

社会保険労務士の将来性は?

 社会保険労務士の将来性は、まさに方向転換の時期に来ています。IT化が進むにつれて業務が減ってきたのは確かです。システムによって管理業務をはじめとして、体系的に実施されることが多くなり、社会保険労務士の入り込む余地が少なくなってきています。これまで依頼していた事務手続きも、システムに代行させられるものが増えてきました。

さらに、コストカットを意識する企業が多くなったことも関係しています。簡単な処理であれば、わざわざ社会保険労務士に頼むのではなく、自社の社員に担当させようと考える経営者が増えているのです。このような状況にあるので、仕事が減り始めている傾向があったのですが、その状況を一変させる変化が起こります。

それこそが前述の働き方改革であり、企業の経営者はこれまでに直面したことのない問題を多く抱えるようになりました。さらに、追い打ちをかけたのが感染予防を徹底しなければならない風潮です。テレワークを導入するにあたり、社員の働き方はますます以前と異なるようになってきました。これを受けて、どのように勤務体系を見直すべきか悩んでいる経営者は少なくありません。うかつに実施してしまうと、法律に抵触してしまう恐れもあります。このようなリスクを回避するには、専門家に意見を仰いでアドバイスしてもらうことが一番です。その専門家こそが社会保険労務士であり、一気に需要が増えはじめたという事情があるのです。

とはいえ、今後も減っていくと予想されている業務も見受けられます。いわゆる1号と2号に該当する業務であり、これらは独占業務なので安泰だと思われていましたが、電子申請の普及により事情が大きく変わってきました。電子申請する場合は、そもそもこれらの業務のなかに必須でないものが出てきます。

社員が必要事項を入力するだけで完了するので、社会保険労務士を介する必要性がないというわけです。そう言われると、将来は明るくないように感じる人もいるでしょう。しかし、別の観点からニーズが高まっているので、過度に心配しなくても大丈夫です。
その観点とは企業の諸活動に関するコンサルティングです。たとえば補助金の申請と一つをとっても、たいていの経営者は方法を把握できていません。自社に申請の資格があるのかどうかすら分かっていないケースもあります。そのような場合でも、社会保険労務士に相談することで適切な助言を得られます。相性が良いと感じて料金面で折り合いがつけば、そのまま業務を依頼することも可能です。

このように、従来の定型的な仕事から柔軟な対応を求められる仕事にシフトしてきました。言い換えると、システムでは担当できない仕事を主に任されるようになったのです。
この動きは今後もますます加速していくことでしょう。なぜなら、システムの高性能化と働き方の多様化は目まぐるしいスピードで進んでいるからです。1号と2号の業務に関しては人工知能に取って代わられるリスクが指摘されています。

一方で、3号の業務については人同士のコミュニケーションが基盤となるため、そのようなリスクは小さいという見方が有力です。したがって、社会保険労務士としてキャリアを末永く築いていきたいなら、自分のリソースをうまく3号に集中していくことがポイントになります。キャリアアップを目指す場合は、職域を広げていくことも重要です。行政書士や中小企業診断士といった資格の取得も視野に入れると良いでしょう。

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