ハローワーク職業訓練の体験談
退職
それまで勤めていた会社を辞めた時に、一番気掛かりだったのが生活費のことでした。ジリジリと貯金が減っていく状況は、経験をした者でしか分からない不安があり、この先どうなっていくのだろうという怖さがありました。
もちろん転職先探しや、アルバイトをすることも考えていたものの、そもそも仕事を辞めたのは自分の将来を一度じっくりと考えたかったという気持ちがあったからで、次の仕事に即シフトするという気持ちになれずにいました。
しかしながら現実的な問題として生活費のことは避けて通れず、さてどうしたものかと思い悩んだ時期があったのです。
職業訓練のパンフレット
そうした中、普段から通っていたハローワークへ行った時に、ふと職業訓練のパンフレットが目にとまりました。
そういえば以前、訓練を受講したという人と話す機会があり、その時にそんな制度もあるのか見知った記憶がありました。
よくよく調べてみると、色々なコースがあるようで少し興味を惹かれていたのですが、中でも興味深く感じたのが、給付金を貰える点です。職業訓練には手当なるものがあって、一定のお金を貰いながらスキルアップを目指すことができます。
試験と面接
自費で学ぼうとすると何かと費用が掛かってしまうところ、手当を受け取りつつ勉強をする機会を得られるわけですので、失業者にとってこれほど嬉しいことはありません。
私自身、将来のことで思い悩む者だったこともあり、今後を考える上での良い経験ができる場を得られるのは魅力的でした。その上、資格取得のサポートまでも得られるとのことで、願ったり叶ったりの制度です。
ただ、この制度は誰でも利用できるというわけではありません。一定の条件を満たすことに加え、面接もパスする必要があります。
条件に関しては問題はなかったものの、不安に感じていたのが試験のことでした。昨今では職業訓練を利用する人が増えているようで、コースにもよりますが倍率も低くありませんので、面接などで落ちてしまう可能性が十分にありました。
いくらやる気があろうとも受かることができなければ意味はなく、給付金が魅力的に見えつつも結果への不安は残ったままです。
ところが幸いなことに、試験に合格をすることができた時には嬉しかったです。
まるで内定をもらったかのような喜びがありましたし、失業中の身に明るい日差しが差し込んできたような心境でした。もちろんあくまでも職業訓練ですので今後に繋げる必要があり、期間を終えた後には仕事探しをしなければいけないことを考えると不安は拭えません。
それでも嬉しく感じられたのは、それだけ失業中のストレスを大きく捉えていたからなのでしょう。
介護
私が選んだコースは介護系の道で、今後も増加する介護のニーズを踏まえ、そのためにも将来に繋がる知識や技術を少しでも身につけておきたいという気持ちがあったからです。
全くの未経験業界なこともあり学べることはどれも新鮮で、知らない世界に触れられるのは刺激的でもありました。
一方では大変なこともあって、業務に必要な知識を叩き込む学科はもちろん、実技は特に苦労を感じることが多かったです。福祉用具の活用や利用者に合わせたケアの実施、チームコミュニケーションなど、初めてだらけなこともあり苦労の連続でした。しかしその一方ではやりがいを感じられる部分もあって、介護職の重要度に触れられたことで、この業界に少しでも貢献ができたら嬉しいという気持ちも芽生えていたのです。
給付金
訓練への充実感もさることながら、生活の上で非常に助かっていたのが給付金の存在でした。生活費に苦労をしてことをきっかけにトライしたような部分もありましたので、現実問題として収入を得られるのは大変ありがたかったです。
収入と言っても金額としては大きいものではないものの、それでも訓練を受けながら手当を受けられることを考えると、至れり尽くせりにすら感じられました。
生活上の安心感を得られつつ、将来に繋がるスキルを身につけていくことができるわけですので、求職者にとってこれほど嬉しいことはありません。
きっと仕事を辞めるなどして生活に困窮する人も少なくないと思われますが、もし今後のことで迷っている場合は職業訓練にトライしてみるのがおすすめです。
終わりに
自身の体験を振り返ってみると、経験をして良かったと思っていますし、短期間ながらも充実の時間を過ごすことができたと感じています。
訓練を受けたからといって必ずしもその業界を目指す必要があるわけでもありませんので、そこまで難しく考える必要もありません。
何よりも給付金を得られることで一定の安心感を得られるのは魅力的です。収入がない状況は心理的に相当辛いものがあるものですので、経済的に困窮をしている時の救いにもなってくれるのではないでしょうか。
なお、私は結局、介護の道へと進むことになりました。これまであまり考えたことがない業界だったものの、訓練を通して真剣にやりたい気持ちが高まっていきました。職業訓練が人生のターニングポイントとなり、体験をして本当に良かったと感じています。